ピラミッド型の組織では、「忖度」あるのが当たり前
安倍首相は ”モリカケ問題(森友学園・加計学園問題)” に対し、何度となく「忖度など無かった」とコメントをしていますが、忖度は安倍首相がするのではなく、相手側がするものです。
忖度の語源は、中国の古い言葉で「相手の心を推し量る」と辞書に書かれています。
これを今の社会状況にあてはめれば、「相手の強い思いを推し量り、その思いに沿った行動をとる」となり、”相手が自らの感性で感じ取り、その思いに沿った行動を起こす” ことです。
だから ”忖度など無かった” と言えるのは安倍首相ではなく、その相手方が発する言葉のはずです。
なのに、安倍首相は国会で「忖度など働く余地はまったく無かった」と答えました。
・森友学園の学校建設のために「国有地の売却を格安でお願いしたい」との籠池前理事長の強い思い
昭恵夫人と強い繋がりを持つ籠池前理事長からの要望
・加計学園の理科大学獣医学部新設を、「国家戦略特区に認めて欲しい」との加計理事長の強い思い
旧知の仲である加計理事長からの要望
この二人の理事長の強い思いに安倍首相は
・財務省の大臣や官僚の決断(国有地の売却を格安で行った行為)
・文科省の大臣や官僚の決断(獣医学部新設を認めた行為)
”この決断に、国会で「忖度など無かった」と代弁した”。 私はこのように感じました。
もし二人の理事長の強い思いに対し、安倍首相が忖度したのであれば、これは忖度ではなく「関与」です。
なぜ安倍首相が ”忖度など無かったと言い切れるのか”
ここに「やましい思い」を感じます。
(この ”やましさ” が不信感に変わり、内閣支持率は大きく低下したのでは... )
日本の官僚制はヒエラルキー(位階、階層)構造を持つピラミッド型のシステムで、
(日本企業も同様です)
・上意下達の指揮命令系統を持ち
・組織への貢献度に応じて地位、報償が与えられる
特徴があります。(ウィキペディアより抜粋)
更に、日本人の美徳な心性である「おもてなしの心(気遣い、気配り、目配り、空気を読む)」が加わった組織文化で形成されています。
このような組織体においては、「忖度あるのが当たり前」です。
では、忖度は「美徳」なのか、それとも「悪の根源」なのか......
- 2018.04.13 Friday
- 企業の不正・不祥事
- 17:30
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- by REPsコンサル 西野 泰広