組織的に行われる「不正行為」、 対処・対応の総括
リスクマメジメントの専門家がお伝えします。
前々回から3回連続の「企業の不正に対する」対処・対応についての内容となりますが、この企業不正に関する記事にコンサルタントの仲間から意見や質問をいただきました。
今回はその意見や質問を含め、企業不正に対する総括としてお伝えします。
(今後発生の不正事案につきましては都度お伝えします)
質問は仲間であるがゆえにストレートで鋭い内容です。
主な質問は、
Q1: 組織的不正はなぜ起こる
Q2: 軽微な不正を無くすことは出来るのか... 無くならないのでは
Q3: 起こった不正への対処の方が重要と思います
Q4: 仲間を監視する社風 ... おかしくありませんか
Q5: ”不正の指示” 断れるのか... どの様に断る... 断ればどうなる
コンサルタント仲間(士業と呼ばれる方を含め)も経営者からの相談に対し助言や指導を行う立場ですから、この質問は自分事なのです。
Q1: 組織的不正はなぜ起こる
この質問は、これまでに企業が起こした不正の状況を見れば理解することが出来ます。
・不正経理(粉飾決算、所得隠し、損失隠し、脱税... など)
・カルテル、談合
・不法労働行為
・不当な業務契約や販売契約
など、これら不正の多くは収益悪化により起こったとも言えます。
利益を上げるために実力以上の利益追求の姿勢と、経営者(経営陣)の保身が不正へと導くことになったのです。
収益悪化は「経営能力」にあるにも関わらず、それを ”まやかす思い” が、この危機を「会社を守るため」とか「この危機を乗り切るため」などと言って、不正を正当化し多くの者を巻き込んでいます。
▶Q1この答、多くは経営の悪化が原因で起こっています。
(個人的不正は、これとは異なる要因で起こります)
そして下記の二つがその大きな要因となります。
・ 一つは、収益を上げられない経営体質。
これは、経営陣の資質の問題です。
・もう一つは、危機管理能力の欠如。(クライシスマネジメント能力)
会社の存続にかかわる事態に対処する手段や仕組みがない。
又は、あっても機能していない。
これはクライシスマネジメント プランが無いのです。
仮に、不正が公にならず危機を乗り切ることが出来たとしても、このような企業はいずれ同様の不正を起こすことになります。
なぜなら、問題は「経営陣の資質」にあるからです。この問題を解決しない限り再発します。
(重大な不正を起こした企業の過去を調べてみてください。同様の不正が出てくるはずです。)
Q2: 軽微な不正を無くすことは出来るのか... 無くならないのでは
更に質問は続きますが中略し、”軽微な不正まで無くさなければならない” 理由が知りたい。
このような質問です。
まずこの質問、不正を無くそうとすれば、”いかにして不正を見つける” かにたどり着きます。
そして「不正を見つけることが重要」なのか、「不正をさせないことが重要」かとなります。
私は、不正を見つけることよりも、「不正をさせない」ことのほうが重要だと考えています。
例えば、
友人である同僚が「出張時の旅費交通費をごまかしていた」これを見たあなたはどのように感じますか。
”軽微な不正だから許してやるか” と思いますか......
- 2017.09.19 Tuesday
- 企業の不正・不祥事
- 13:18
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- by REPsコンサル 西野 泰広