「不祥事管理の教本」 未然防止の本質(2nd)
不祥事の未然防止は、不祥事に至る「原因」や「要因」を取り除くことです。
なぜ ”三菱自動車は再三不祥事を起こすのか”、 なぜ ”防ぐことが出来なかったのか”
貴方は、どのように思われますか。
既にご存知だと思いますが、本年4月に燃費データの不正が発覚し当該車種の販売自粛や、当該車種ユーザーへの損害賠償などで多額の損失を出したにもかかわらず。その後も不正測定が続けられていたことが9月15日の国土交通省の立ち入り検査で発覚した。
それも4月以降に不正が発覚した9車種のうち8車種で行われていたと伝えられています。
また、三菱自動車の担当者は不正であることを知りながら続けていたと語っています... なぜ ...
この状況を受けて国土交通省は三菱自動車に対し「常軌を逸する事態」だと会社の体質を批判しましたが、なぜこのような事態を招くことになったのでしょうか、リスクマネジメントの専門家である私にとっては非常に興味深い事案ですので、その原因や要因について迫ってみたいと思います。
4月の不正発覚後、当時の同社社長や会長(現会長兼社長)は反省を口にし謝罪したにもかかわらず、なぜ不正な燃費測定を続けていたのか理解など出来ませんが、不正の闇に隠れている「不祥事を起こさせる原因や要因」を自ら明らかにし、社会に公表しない限り会社の体質は変わらないと私は考えています。(曝け出すことが重要なのです)
ここに変わろうとする姿勢が表れるのです。
益子会長兼社長は、記者団に対し「お客様第一、コンプライアンス第一、この基本的な考えが見失われていた」と前回同様の謝罪を口にしましたが、おそらく多くの方は期待できないと思われているはずです。
まずは、なぜ不正な燃費測定を続けていたのか?
ここには、続けなければならなかった原因が必ずあります。
(関係者ではない限り真因は掴めませんので、あくまでも想像です)
仮説を立てて本事案を検証してみます、
・本事案は従業員が単独で行えるような不正ではありませんので、組織的に行っていたはずです。
発覚すれば会社の存続にも関わる不正を一般従業員や管理職が独断で行うことなどありえません。
(事業所/開発現場が単独で行うこともありません)
・上層部(三菱自動車本社)からの指示か圧力があったはずです。
その指示か圧力を受け事業所(開発現場)側が組織的に続けていたと思えます。
ではこのような指示や圧力は、誰が行うことが出来たのでしょうか......
- 2016.09.29 Thursday
- 不正・不祥事の未然防止
- 16:07
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- by REPsコンサル 西野 泰広