あるテレビ番組で、故ジャニー喜多川氏「淫行問題」の再発防止について議論されていました。
その番組中に「“加害者” が既にいないのに『何が再発するのか』と言い、いまさら再発防止は不要では…… 」このような評論家のコメントを耳にしました。
この方のように表面的な部分だけを捉えれば再発はしないかもしれませんが、防がなければならないのは「淫行」だけではなく『重大な「不正」や「不祥事」の発生』で、特に背徳行為が長年続けられてきた組織は再発を招きやすい風土にあると言えます。だから再発防止はmustです。
本題に戻ります
故ジャニー喜多川氏(以降「故ジャニー氏」と表記)の未成年者に対する性加害は1960年代から2010年代前半まで40数年間続いていたと言われています。
■40数年間も…… なぜ続いたのでしょうか。
それは、この問題が事件になっていないところにあります。
故ジャニー氏から性被害を受けた被害者は、「告訴」も「訴訟」もしていません。
・「告訴」は刑事事件として犯罪者を法的に罰する訴え
・「訴訟」は民事事件として損害賠償を求める訴え
そのため、故ジャニー氏は刑事的な責任は問われていません。
※「強制わいせつ」や「強制性交等」は2017年までは
親告罪で、被害者が告訴しなければ起訴されない
罪でした。(現在は非親告罪です。)
では、被害者は “なぜ告訴も訴訟もしなかった” のでしょうか……
なぜ、社会に “受け入れられなかった” のか!
その「理由」と「何をしなければならないのか」をお伝えいたします。
故ジャニー喜多川氏による「性加害事案」の要旨については、
テレビ、新聞、雑誌などが大々的に取り上げたことでご存じだと思われますので、性加害の内容については割愛させていただきます。
会見がなぜ社会に「受け入れられなかった」のか!!
(これは危機管理マネジメントです)
まず、不正・不祥事に関する謝罪会見には原則と呼ばれるものがあります。
それは「お詫びの原則」と呼ばれ、謝罪に不可欠なプロセスが記されています。
重大な不正・不祥事事案は、このプロセスに沿った内容でなければ、“社会は謝罪とは評価しない” のです。
<お詫びの8原則>
(1)“なにが起きたか” 事実を包み隠さず伝える
(2)“なぜ起きたか” 原因を正しく伝える
(3)起こしたことへのお詫び
(4)起きたことに対する問題解決の提示
(これは被害者救済です)
(5)将来にわたる安心の提示
(これは再発防止および信頼回復です)
(6)厳しい処分の提示
(これは反省の意思表示です)
(7)お詫びのタイミング
(8)いさぎよさが感じられること
(言い訳をしてはダメです)
重大な事案であればこの内容が “完パケ” でなければ事態を更に悪化させることになります。
なぜ社会に「受け入れられなかった」のか、
それは、謝罪会見が「謝罪になっていなかった」からです。
「お詫びの原則」に照らし合わせれば、その理由が顕れます……
政府は2023年3月13日より「マスク着用は個人の主体的な判断にまかせる」との方針を示し、更に同年5月8日には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を2類相当(感染症法上の位置付け)から「5類」に引き下げる措置を行いました。
これは新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」と表記)の軽症化により “社会に危機を及ぼす危険な状況ではなくなった” との判断によるものです。
オミクロン株が弱毒化したかは不明ですが、ワクチン接種と自然感染による免疫保持者の増加により、患者数の増加に比べて重症者数が少なかったことから軽症化と表現しました。
これらに伴い、企業内では “コロナ前” の状態に戻す動きが加速したように感じます。
「アルコール消毒液」「コロナ対策パーテーション」の撤去や「マスク外しを要請する」などの動きがありますが、新型コロナは終息どころか徐々に増加に転じている状況です。
(国内の感染症専門家は高い確率で9波・10波は起こると予測しています。)
このような状況下で、お客様(消費者)と直に接する部署で業務をする私の知人から “「上司からマスクを外すように強く言われ」どうすればよいのか悩んでいる” との相談を受けました。
(このような状況は他の職場でも起きているのではないかと思い、今回記事にしました。)
その知人の説明では「マスクを外すように強く言われた」背景には、“笑顔でお客様と接しよう” との強い思いが経営陣にあるとのことです。
やっとマスクが外せる状況になったので、この思いは理解できますが、「マスク外しの要請はいささか早計」ではないかと私は感じています。
「マスク外しの推奨」なら問題はありませんが、「マスク外しの要請」や「マスク外しの強要」となると、これは大きな問題です。
かといって、お客様と直に接するような部署で「マスク外しは個人の判断」と言われても困惑すると思います。
(お客様(消費者)と接することがない部署では、この問題は起きません。)
想像してみてください “接客する従業員の半数は「マスクを着用し」もう半数は「マスクを外している」このような光景” 異様に感じませんか。
この会社の、
マネジメント能力は…
ガバナンスは…
統率力のない組織では…
など、良い印象は受けませんよね。
では、この「マスク外し」の事案は
「何が問題」で「どうすれば良い」と思われますか……
新型コロナの現状について
WHOは「終息にはまだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」と述べましたが、海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田特任教授は「WHOの言う終わり」は流行の終息ではなく、「“新型コロナと共存できる社会が見えてきた” という意味ではないか」とコメントしています。
5類移行の決断は「新型コロナの終息ではなく」欧米諸国と同様に社会経済活動を重視する(新型コロナと共存する)政策に転換したと言うことです。その起点となるのが23年5月8日なのです。
この起点を境に、行政機関や医療機関の対処が季節性インフルエンザなどと同じ位置づけに変わることになります。(行動制限が大きく緩和されます)
既にマスクの着用については(23年3月13日)「個人の主体的な判断」に変わり、更に感染者の療養期間の短縮や医療費の自己負担など… 変わる予定になっていますが、国内の感染症専門家は高い確率で第9波・第10波は起こり得ると予測しています。
このような状況を踏まえて、今後は「感染拡大を防止」しながら、「社会経済活動が継続できる」ように個々が主体的に判断し行動しなければならなくなりました。
あなたは “新型コロナの「感染拡大を防ぎ」ながら、「社会経済活動と日常の楽しみ」を両立させる” ために、どのように取り組みますか。
]]>
前回の記事「なぜ今! レピュテーションマネジメントが重要なのですか」で、不正や不祥事に対するリスクマネジメントは「不確実性リスクの管理」である。そのため “リスク(危険度)は画一的ではありません” とお伝えしました。
(同じ不祥事でも取り巻きの環境や状況によって「リスクの度合い」が変化するのです)
このような「不確実性リスク」に対処するには、「リスクを冷静に評価」することのできるスキルが求められます。
(リスクを正しく評価することができて、初めて適切な判断が行えるのです。)
では、どのようにすれば「正しいリスク評価」ができるようになると思われますか。
・
・
・
それには、経験を積むしかありません。
不祥事事案の当事者として「不祥事の対処に直接かかわる」ことです。
この経験を重ねることで初めて「不祥事と対峙する感覚」が身につくのです。
(だからリスクマネージャーは経験がとても重要なのです)
しかし、経験を積みたくても自社の不祥事はいつ起こるか分かりませんし、不祥事が頻繁に起こっても困ります。
だからと言ってただ待っていてもスキルは向上しません。
そこで重要となるのが「仮想体験(virtual experience)」です。
他社が起こした不祥事を自分事(当事者)として「考察」するのです。
(特に同業社が起こした不祥事は考察する価値があります)
今年も2022年に起きた不正・不祥事事案を掲載しましたので ぜひ考察にtryしてみてください……
]]>
上記のタイトルは “若き経営者との懇親の席でよく受ける質問” です。
今回はこのことについてお伝えいたします。
不正や不祥事に対する主なマネジメントは
(a)リスクマネジメント
(b)クライシスマネジメント
(c)レピュテーションマネジメント
です。
これらのマネジメントは似ているようで違いますし、違うようで似ていて相互補完の関係にあります。
それぞれのマネジメントが “どのような場面で、どのような目的で” 使われるかをまず説明します。
これが理解できればより効果的なマネジメントが行えます。
まずは(a)リスクマネジメントです。
一般的には危険度管理と訳されますが、不正や不祥事に対するリスクマネジメントは「不確実性リスクの管理」です。
・「起きる」か「起きないか」分からない
・起きた不祥事が「軽微」か「重大」かも分からない
・「軽・重」はその会社の社会的ポジショニングや、
そのときの社会状況で変わります。
このようにリスク(危険度)は画一的ではなく不確実なのです。
(これは上記の “bもc” も同じです)
そのため管理手法は、「潜在的なリスクを洗い出し」、「そのリスクが顕在化することのないように対策を講じる」これが基本的な考えかたです。
(1)どんなリスクが存在するのか
・全てのリスクを把握する
(2)把握した全てのリスクの評価
・リスクが会社に与える影響を評価する
(3)管理するリスクの選択と対処
・全てのリスクに対策を講じるのは困難であるため
影響の大きなリスクに対策を講じる。(管理リスク)
・他のリスクは発生時の対処とする。(管理外リスク)
(4)管理するリスクの対策を関係者と
協議し共有する
(5)リスクが顕在化した場合への対処
・新たな対応策を関係者と協議し実行する。
これらのことが必要で、(3)(4)(5)が「不確実性リスクの管理」となります。
次に(b)クライシスマネジメントですが
クライシス(crisis)は
“どんな状況” で “どんな管理” が必要だと思われますか……
リスクマネジメントで最も重要なことは “リスクマネジメントが「機能する仕組み」を構築する” ことであると何度もお伝えしていますが、その大きな理由は、重大なリスクに “なればなるほど” 「経営陣の管理と判断」が強く絡んでくるからです。
そして経営陣が絡めば「収益」が「適切な判断の足かせ」となりリスク管理が機能不全におちいり、不祥事は隠蔽へ ………
そして、この致命的な判断ミスは、ある日 世間を騒がせる不祥事として露呈することになるのです。
REPsコンサルHP掲載の
<レピュテーションを失った企業>
ここに掲載している事案の多くは “リスク管理が機能しなかった” ことで起きた重大な不祥事です。
上記のような不祥事も “いきなり重大な不祥事にエスカレート” したのではありません。
社内では、比較的軽微な不祥事として何度か問題になっていたはずです。
ハインリッヒの法則も「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には、更に300の異常が存在する」と言うトライアングル定理があるように、いきなり重大不祥事が起こるようなことはないのです。
この段階で適切な対処ができていれば “世間を騒がせる不祥事” に発展することはありません。
「重大な不祥事に発展する前に『くい止める』ことができた」と言うことです。
(軽微なリスクであれば担当部署の裁量で決裁が行えることが多くなります)
今回は、この「くい止める手法」の一つをお伝えいたします。
理解しやすくするために題材として近年多発しています
「製品の『品質検査』や『品質試験』不正」の事案を用いて説明します。
<レピュテーションを失った企業> にも数多くありますのでご覧ください。
まずは、なぜ “検査や試験で不正が起こる” と思われますか?
その原因は……
レピュテーションマネジメント(reputation management)を直訳すれば、
⇒ 「評判管理」となります。
これを “会社の経営” に読み替えれば 、「会社の評判管理」となりますが、これでは輪郭がボヤとしていて “何をどのように管理するのか” はっきりしません。
そのため、私は「評判」に「評価や信用や信頼」を加え、レピュテーションマネジメントは
『評価・評判 と信用・信頼の管理』とお伝えしています。
これなら、“レピュテーションの低下” は「経営に大きな影響を与える」ことが直感的に理解できるはずです。
そして、私が提唱する「レピュテーションマネジメント」は、評判を向上させる管理ではなく、
これまでに築き上げてきた信用や信頼を “失わない” 管理の提言やマネジメントのサポートに焦点をおいています。
信用や信頼を向上させることは一朝一夕にはできませんが、信用や信頼を失うのは一瞬です。
(まさに、ことわざの「築城3年 落城3日」です。)
では、レピュテーションは
“「どのような不祥事」で『何が起きた』場合に喪失する” でしょうか。
実際の業務では、このことがとても重要な要素になります。
一般的な <レピュテーション低下の要因>
(1)不祥事が
「消費者に多大な被害や損害を与える」場合
この場合、社会的事案として大きく報道されますが、
適切な対処を行えばレピュテーションの低下は、
一時的なものに留められます。
・一度の不祥事で喪失することはまずありません。
ただし、“重篤な被害者が大勢いる” ような場合は、
一度の不祥事でも喪失することがあります。
(2)不祥事を起こした後の
「対処が不適切」であった場合
不祥事を起こせば多くの方が、その後の対処に注目します。
その対処が釈然としないような場合は大きな影響を受ける
ことになります。
・「不祥事という過ちに加え “その対処”
でも過ちを犯した」ような場合です。
一つの不祥事で二度の過ちを犯せば、
喪失しても不思議ではありません。
(3)不祥事を起こした企業の「社会的ポジショニング」によって、レピュテーションに与える影響は違ってきます。
これは期待感と言われるもので、社会的な期待感が高い企業ほど影響は大きく出ます。
(4)不祥事が「再発」した場合、喪失は免れません。
レピュテーション喪失の多くは「不祥事の再発」に起因しています。
“当たり前の管理ができない会社” という「烙印」を押されるからです。
このようなことが一般的に言われています。
上記の中でもレピュテーションマネジメントで重要なことは ……
]]>「正常性バイアス」をコントロールするしかありません。
しかし、あなたの心に取りつくこの「正常性バイアス」は、とても厄介な存在です。
例えば、
下記のような “危機に直面したら” あなたはどのような行動をとりますか。
(1) 地下街で買い物をしている時に、
突然火災報知器が鳴り響いた。
(2)ホテルで朝食をとっている時に、
テーブルのコーヒーがこぼれるほどの地震が起こった。
(3)自宅で寝ている時に、消防署の職員が
「近くの川に氾濫の危険がある」と避難の呼びかけが聞こえてきた。
・
・
・
下記のような「考え」や「行動」は正常性バイアスが働いているかも……
(1:action)
→ 周りを見ても「煙も見えない」し「焦げた臭いもしない」ので
誤報と考え逃げなかった。
(2:action)
→ 地震はもう来ないだろうと考え、その場にとどまった。
(3:action)
→ 周りを見ても「誰も避難していない」し「雨も弱くなっていた」ので
大丈夫だと考え、そのまま寝ることにした。
あなたはどうでしたか?
■ 正常性バイアス(normalcy bias)とは、
人が無意識にとる行動の「心理学的」用語の一つです。
・正常性は、「大丈夫」や「起こらない」や「ありえない」と思いたい先入観や願望です。
・ここでのバイアスは、「偏見」や「思い込み」や「強がり」と表すのが適切です。
人間の脳には常に平穏を保とうとする機能が備わっています。そのため突発的な不安や恐怖に直面してもパニックに至らずに冷静に対応することができる力となりますが、これが強く働きすぎると危機的な状況であるにもかかわらず「まだ大丈夫」「これくらいなら問題ない」などと思い込む「根拠の無い安心感」を作り上げます。
実際に起こった「常性バイアス」による心理的行動
下記内容は東日本大震災発生から3年後に行われた被災者の方々への調査報告の一部です。
Aさんは地震発生後に建物の屋上から海の様子を見ていた……
遠くから迫ってくる津波を目撃し、慌てて『津波が来る、すぐ逃げろ』と大声で呼び掛けたが、多く方が直ぐには逃げなかった。
(そのため多くの犠牲者が出たのはみなさんが知るところです)
これを防ぐにはどうすればよいでしょうか……
]]>
いきなりの質問ですが、
あなたの会社に「経営理念」や社員の「行動憲章」「行動規範」はありますか。
経営理念/企業理念とは、
ある物事において「こうあるべき」という根本となる考えを意味します。一般的に「会社は何のために存在するのか」「経営の目的は」「どのような活動をする」といったように、 “組織の存在意義や使命など基本的な価値観” を表しています。 (ビジョンやミッションとは異なる概念です。)
そして、その「理念」「憲章」「規範」を社会に公表していますか。
ある企業は、下記のような “社員の行動規範” を社会に公表しています。
<その行動規範の要約>
この行動規範には、社員一人ひとりが守らなければならない倫理的な事業活動に関する基本的な行動指針が書かれており、その内容には、「公正である」「誠実である」「正直である」「尊重する」「責任を持つ」といった倫理的行動と、法令遵守に加え、公正競争、贈賄防止、機密情報や知的財産の保護、人権尊重、製品・サービスの安全、環境保全、企業情報開示などについての具体的な行動が定められています。
そして、この企業の行動規範には、
「お客様やビジネスパートナーをはじめとした『ステークホルダーの皆さんから信頼されなければならない』。そのために欠かすことのできない “第一歩がこの「行動規範を遵守し誠実に業務を遂行する」ことである” と具体的に示されています。
更に、この企業は「行動規範」を全社員に繰り返し周知する定期的な教育と研修が行われています。
では、このような「理念」「憲章」「規範」の策定と公表が、どのような影響を与えると思われますか……
]]>
経営者であれば誰もが気になる事柄ですよね。
今回は、その時に答えたことについてお伝えします。
まずは、皆さんに質問です
近年「重大な企業不祥事が多発」していますが、「何に起因する不祥事」が多いと思われますか?
ヒントは、REPsコンサルHPの「レピュテーションを失った企業」
ここに掲載されている多くの事案にその答えが隠れています。
何が起因しているのでしょう……
この答が解れば、「重大な企業不祥事を防ぐ糸口」が見えてきます。
では “三つの これ” 無しにクレーム対応をすれば、何が起こるかを先にお伝えいたします。
例えば、(これは実際に起きた話です)
日本で販売されています家電製品の多くは、購入後1年間のメーカー保証が付いています。
注) 中には3年間保証や、まったく保証が無い製品もあります。
この購入後1年間のメーカー保証、厳密に言うと1年間ではありません。
「保証の運用上」数日間延長されているのが実情です。
なぜなら、購入後にご家庭で使用していた家電製品がちょうど365日目に故障したとします。
その後、メーカー保証の修理を行うには、「購入店に故障の製品を持ち込み → 製造メーカーに送られ」修理が開始されることになります。
修理が開始されるまでに「修理品の移動日数」ぶんの時間を要することになります。
では、質問です
1年間保証に「修理品の移動日数」が定められていなければ、何が起こると思われますか。
・
・
・
“1年間のメーカー保証に対するクレームが起こる” このことが容易に予測できます。
仮に、修理が開始されるまでに「7日間」かかるとすれば、358日目に故障しなければ1年間の保証期間外になってしまいます。
(これでは購入後1年間の保証とは言えません。)
移動日数を7日とにすれば、保証運用上「7日間」保証を延長することが必要になります。
※ 家庭で故障した修理品が何日間で製造メーカーに到着するか、この移動日数を決めることが必要です。
この日数は公表されていませんがメーカーで異なり3〜14日間だと言われています。
1年間保証と言うのであれば “修理品の移動日数を考慮に入れ” 何時をもって購入から1年間とする「判断基準」を決めておくことがとても重要となります。
違った言い方をすれば、適切かつ明確な「これ=判断基準(決まり)」が無ければ、1年間保証の「正当性が保てない」ことになります。
だから “これ=判断基準(決まり)” 無しには適切なクレーム対応はできません。
クレーム対応で正当性の無いような事を、お客様にいくら説明しても納得などしていただけません。(これでは、お客様は「怒る」か「呆れる」しかありません)
判断基準(決まり)の重要性については理解していただけたと思いますが、これだけではまだ適切なクレーム対応は行えません。
もう「二つ」重要なことがあります。
1つ目は、上記のような「判断基準(決まり)」ですが、
残る「二つ」は “何だ” と思われますか……
先日、ある企業の経営者である松島社長(仮名)からリスクマネジメントについて質問を受けました。
内容は、“リスクマネジメントを強化するために何が最も重要でしょうか” このような質問でした。
“なぜ強化が必要と感じたのでしょうか” とお聞きしたところ、社内で問題が続けて起こったとのことです。
・起こった事案:パワハラ/セクハラ、商品品質問題、豪雨災害、コロナ対応などでした。
更に、まだ起こってはいないが不安を感じる事案として
・サイバー攻撃、情報セキュリティーと情報漏洩などが上がりました。
社長は20年間経営に携わっていますが、これまでに重大インシデントに至った事案はないとのことでした。
(経営規模は、年商約100億円、正社員135名、パート・アルバイトが約170名)
「リスク管理の専門部署はなく、主に総務部が担当している」とのことでした。
状況説明の中で私が気になったのは “近年、従業員の会社に対するエンゲージメントが低下しているように感じることがある” との部分でした。
( “テレワークが影響しているかも… ” とのことでしたが )
一般的に “エンゲージメントの低下は重大なインシデントを引き起こす” と言われていますので、とても気になりました。
【これらの懸念に対して】
まずは、規模の大きな「リスクマネジメント部門や部署」はなくても問題はありませんが、リスク管理の役割と責任を明確にするために、数名規模の “○○室” 的な「組織」と「専任者」は必要だと答えました。
なぜなら、「リスク管理を機能させる」ことが最も重要だからです。
※ リスク管理が機能しなければ、何も無いのと同じです!!
よく起きるのが、リスク管理の専門部署と優れた専任者もそろっているが、“重大なインシデント” では管理が機能しない。このような状況が少なくないからです。
REPsコンサルHPの「レピュテーションを失った企業」
ここに掲載されている事案の多くは上記の状況に合致します。
では、なぜ “重大インシデント事案では、リスク管理が機能しない” のでしょうか……
]]>
昨年もお伝えいたしましたが
重大な不正・不祥事は、いつか必ず『発覚(露呈)』します
いつまでも隠し通すことはできません。
なぜなら、
Ⓐ 業務担当者はある時期に必ず交代します
・ジョブローテーション、転勤、他部署へ業務移管などで
・定期的に行われる「業務監査」や「定期検査」なども
・ある日突然担当者が変わることもあります。
2020年・2021年はリモートワークの影響で担当者の入れ替えが激しく起きたはずです。
人が変われば「不自然な業務の流れ」や「数値」に違和感を感じます。
(不正は何処かに違和感を感じものです。)
この違和感が不正をあぶりだすトリガーになるのです。
Ⓑ 内部告発の増加(現在、不正発覚の半数以上を占めている)
内部告発の動機は様々
一般的には「正義感の強い者」が告発行動を起こすのですが、近年は「会社、上司、同僚」に不満を抱く者の告発が増加していると伝えられています。
Ⓒ 更に告発者を後押しするのが
・「公益通報者保護法」の制度充実
※ 令和2年6月に同法の一部が改正され、令和4年6月までには施行されます。
この中に従業員数300人以上の企業には、
内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。
・従業員の「帰属意識の低下」からくるエゴイズム
このような状況から不正は発覚(露呈)するのです。
このことを念頭に置いて
2021年に起きた「企業の不正・不祥事」 事案を眺めてください。
新たな感情と「何が必要か」が沸き起こるはずです......
]]>
今回は、そのための「組織と仕組み」についてお伝えします。これが無ければ従業員の安全/安心は守れません。
※ ここでのクレームとは “消費者からのクレーム” を指しています。
クレーム対応は「個人」に “させるな”
とは言っても、電話や店頭でのクレーム対応は “顧客と従業員の一対一の対応” が基本ですので、“させるな” とは応対者が「不安を抱くような判断は組織で行え」と言う意味合いです。
なぜなら、判断を応対者に任せれば、その責任を応対者が抱えることになり強いストレスになります。
そのため応対者は “ストレスによる不安から逃れたい” 思いにより「冷静な判断」ができなくなるからです。
クレーム対応など誰もがしたくはありません。
その誰もがしたくない “クレーム対応を押し付けられ、誤った判断で責められる” こんなことを応対者にしてはいけません。
誰もがそう思いますよね。
しかしこのような事を行っている会社は少なくありません。
なぜだと思います……