東京都議会での ”セクハラ ヤジ問題の対処” それでよいのか?
JUGEMテーマ:経済全般
TBSテレビの「あさチャン」番組より『東京都議会本会議でのセクハラヤジ問題』
の取材を受けました。
6月24日に東京都議会本会議中に塩村文夏都議の ”晩婚化に対する都の子育て支援体制について”
の質問中に他の都議から「セクハラ的ヤジ」を受けた問題に対し、真相を究明せず早期幕引きを図
ろうとする都議会(議会運営委員会)の対応について、企業のリスクマネジメント専門家としての
視点で、”企業であればどのような対処を行うか” コメントを求められました。
コメントは6月25日の番組で”REPsコンサルティング・西野泰広代表は「今の議会の対応は企業
のリスクマネジメントからすればよろしくない対応。 決議書は何も対処方法を示していない。
さらに信頼が低下する」” と放送されました。
なぜ「さらに信頼が低下するか」・「適切な対処とは何か」を加筆します。
本題に入る前に
”どのような場合に信頼が著しく低下するか” お伝えします。
大別すれば下記の三つです。
[1] やらなければならなかったことを、やっていなかった場合(過去の行動)
*社会通念上、誰もが必要であると思えることを、やっていなかった。
[2] やれることをやらなかった場合(確信犯的行動で業務放棄)
*必要であることを認識し、やれば容易にできたと思えることを、あえてやらなかった。
[3] しなければならなかったことをしなかった場合(未来に対する行動)
*しなければならないことを、気付かず放置した。
[1][2][3]のいずれも、問題発生後の抗弁は一切できません。抗弁すれば更に信頼が低下します。
リスクマネジメントの重要な要素の一つは、問題が起こったとしても抗弁できる状況を常に考え
ておくことです。
なぜこのようなことをお伝えするかと言えば、近い将来「都議会」は上記状況に陥ることになる
からです。
複数の人間が係わった隠蔽は、いつかかならず真実が露呈する。
本題です。
なぜ「さらに信頼が低下するか」
それは、当該問題に対する社会の反応です。(企業に例えると消費者の反応です)
この反応に対するリスク評価を適切に評価できていないためです。
問題(セクハラヤジ)”発生後の社会の反応” は
[A] マスコミの取り扱い → 社会的問題として大きく取り上げた
[B] 報道された情報量 → 各メディアとも最大級の情報量として発信
[C] 報道の論調は → 各メディアともに ”ヤジを発した都議” と ”都議会の対応” につい
て日本国内に止まらず国際的にも厳しく批判
この反応は「都議 と都議会」の『資質や品位』が問われ『社会的信頼』に大きく影響をおよぼすと
、評価することです。
このような社会的信頼に係わる問題は、発生の未然防止をしておくことが重要ですが今回のような
不用意な発言に対する完璧な防止策はありません。(発生を低減させる策はあります!)
したがって重要となるのは発生後の対応です。
「問題発生後にどのような対応を行ったか」これが社会から評価されることになります。
【現状は】
■「ヤジを発した都議」の対応は、
不誠実ないきさつはありますが、心の葛藤の上に自ら名乗り出て ”非を認め謝罪” したことは、
勇気ある決断と言えます。置かれていた状況での最善策とは言えませんが、社会にある程度の
納得感を与えた行動です。(致命的なリスク回避が出来たと言えます)
社会的信頼は一時的に低下しますが、長期間続くことはないはずです。
一方、”名乗り出ず謝罪をしなかった場合” の最大リスクは、
・誰かに”告発”されるのでは... ・誰かに弱みを握られたのでは... などで、発覚すれば
”信頼を喪失し議員の職を失う” 恐怖に日々脅えなければならない、精神的苦痛です。
■「都議会」の対応
ヤジを発した都議は複数いると言われていますが、都議会は25日、「信頼回復と再発防止に
努める」決議案を可決し、他のヤジの発言者の特定を求める決議案も提出されたが、最大会派
の自民などの反対で否決し、国内外からの批判を無視したかたちで幕引きを図る構えです。
議決書に具体的な対処方法を何も示さず、ただ「信頼回復に努める」と言われても説得力も納
得感もありません。このような状況で信頼回復をどのような行動で回復させるのでしょうか?
このままでは ”議会に対する失望” だけが残ります。
私は、
都議会として「何ができて」「何をやるか」を示さない限り信頼回復はしないと考えます。
・事実や状況を正確に把握する。
(ヤジを発した都議が複数人いるのが事実であれば、発言者を特定する)
*周辺にいた議員に聞けば容易に特定はできるはずです。
・把握できた事実に基づき最善な対処をする。(発言者がいれば処分をする)
*議会が正常に機能していることを示すことになります。
これは社会通念上あたりまえの行為です。
このようなことができないのであれば都議会(議会運営委員会)は上記[2]の状態です。
企業では、会社の信頼を著しく低下させた行為を行った者と、その管理者は、必ず何だかの処分を
受けます。
これはステークホルダー(利害関係者)に対する「将来の安心提供」にあたる行為で、信頼の低下
を軽微に止めるためと、会社としての反省を意図したものです。
この行動は、「信頼を失えば、経営が窮地に陥る」ことを十分理解しているからです。
何も示さず幕引きをしようとする行為は = ”なにもしない” と言っているのと同じです。
「改善策も示さない」「罰することもしない」のであれば、今後もこの程度の問題であれば責任
は追及しないと言っているのです。
解りやすく表現すると、”この程度の問題と議会の信頼低下” と ”議員の地位” を、”はかりに掛け”
議員の地位が重いと判断したのです。
このような都議会の行為は、社会通念に反した行為で都民ばかりではなく、国民の期待にも背く
もので許されるものではありません。だからマスコミは厳しく批判しているのです。
不用意な発言に対する完璧な防止策はありません。(発生を低減させる策はあります!)
したがって重要となるのは発生後の対応です。
「問題発生後にどのような対応を行ったか」これが社会から評価されることになります。
【現状は】
■「ヤジを発した都議」の対応は、
不誠実ないきさつはありますが、心の葛藤の上に自ら名乗り出て ”非を認め謝罪” したことは、
勇気ある決断と言えます。置かれていた状況での最善策とは言えませんが、社会にある程度の
納得感を与えた行動です。(致命的なリスク回避が出来たと言えます)
社会的信頼は一時的に低下しますが、長期間続くことはないはずです。
一方、”名乗り出ず謝罪をしなかった場合” の最大リスクは、
・誰かに”告発”されるのでは... ・誰かに弱みを握られたのでは... などで、発覚すれば
”信頼を喪失し議員の職を失う” 恐怖に日々脅えなければならない、精神的苦痛です。
■「都議会」の対応
ヤジを発した都議は複数いると言われていますが、都議会は25日、「信頼回復と再発防止に
努める」決議案を可決し、他のヤジの発言者の特定を求める決議案も提出されたが、最大会派
の自民などの反対で否決し、国内外からの批判を無視したかたちで幕引きを図る構えです。
議決書に具体的な対処方法を何も示さず、ただ「信頼回復に努める」と言われても説得力も納
得感もありません。このような状況で信頼回復をどのような行動で回復させるのでしょうか?
このままでは ”議会に対する失望” だけが残ります。
私は、
都議会として「何ができて」「何をやるか」を示さない限り信頼回復はしないと考えます。
・事実や状況を正確に把握する。
(ヤジを発した都議が複数人いるのが事実であれば、発言者を特定する)
*周辺にいた議員に聞けば容易に特定はできるはずです。
・把握できた事実に基づき最善な対処をする。(発言者がいれば処分をする)
*議会が正常に機能していることを示すことになります。
これは社会通念上あたりまえの行為です。
このようなことができないのであれば都議会(議会運営委員会)は上記[2]の状態です。
企業では、会社の信頼を著しく低下させた行為を行った者と、その管理者は、必ず何だかの処分を
受けます。
これはステークホルダー(利害関係者)に対する「将来の安心提供」にあたる行為で、信頼の低下
を軽微に止めるためと、会社としての反省を意図したものです。
この行動は、「信頼を失えば、経営が窮地に陥る」ことを十分理解しているからです。
何も示さず幕引きをしようとする行為は = ”なにもしない” と言っているのと同じです。
「改善策も示さない」「罰することもしない」のであれば、今後もこの程度の問題であれば責任
は追及しないと言っているのです。
解りやすく表現すると、”この程度の問題と議会の信頼低下” と ”議員の地位” を、”はかりに掛け”
議員の地位が重いと判断したのです。
このような都議会の行為は、社会通念に反した行為で都民ばかりではなく、国民の期待にも背く
もので許されるものではありません。だからマスコミは厳しく批判しているのです。
- 2014.06.26 Thursday
- 社会的説明責任(CSR)
- 16:36
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- by REPsコンサル 西野 泰広