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「年金2000万円問題」 ”事の本質” はここにある

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    「年金2000万円問題」 ”事の本質” はここにある

     

    金融庁の金融審議会市場ワーキンググループが2019年6月3日付の報告書「高齢社会における資産形成・管理(全56ページ)(通称:老後報告書)内に記述された「2000万円」が必要以上にフォーカスされ、各メディアが大きく取り上げたことで社会問題に至りました。

     

    そこで今回は、この「年金2000万円問題」の何が本質的な問題なのかを深堀します。

     

    まず最初に、上記の報告書には各メディアで取り上げられた、老後の生活には「約2000万円が必要」と明確には書かれていません。

    (単に平均値に基づく高齢者の家計の試算を示したものです)

    .....................................................................

    【報告書に書かれている内容】

    ・報告書の10Pに

    報告書の(2)収入・支出の状況で述べた、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。
    この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる。


    ・報告書の16Pに

    老後の生活においては年金などの収入で 足らざる部分は、当然保有する金融資産から 取り崩していくこととなる。

    65 歳時点に おける金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、 単身男性、単身女性のそれぞれで、 2,252 万円、 1,552 万円、1,506 万円となっている。
    (2)で述べた収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。


    ・報告書の21Pに

    夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20〜30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円〜2,000 万円になる。

    この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。
    .....................................................................
     

    このように、夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯の平均的な収入・支出の不足額は約5万円だと言っているのです。

     

    当然これは、老後どのような生活をするかによって変わってくるし。預金などの金融資産の状況によって、5万円の不足などなんだ問題ない世帯もあるはずです。

    そして、老後の生活資金が不足すると思われるのであれば ”資産寿命を延ばす工夫が必要” だと伝えているのです。

     

    「高齢社会における資産形成・管理」の報告書は、事実に基づき作成された「現状と課題がよく整理された報告書 」だと私は感じました。

    一部の専門家は ”個々の老後資金を平均値で語るな、誤解を招く” と叫んでいますが、具体的な数値がなければリアル感も危機感も生まれません。何も感じないような報告書であれば無いのと同じです。

    (個々によって大きく状況が異なる数値は平均値を用いて表現するしかありません)

     

    では、この「年金2000万円問題」の何が問題なのか......

     

    まず、この「高齢社会における資産形成・管理」の報告書は、国民に問題を提起したものではありませんし、金融庁の指針や政策でもありません。

     

    金融庁の金融審議会の下に設けられた「市場ワーキンググループ」の審議会委員が、昨年10月から何度も議論を重ね、「高齢社会における金融サービスの在り方」について事実と課題を取りまとめ、政府に問題を提起したもので、この段階で重要となる点は事実が書かれていることです。

    ※ 事実が書かれているのであれば問題はありません。

    なぜなら、一つのワーキンググループが政府に出したレホートであって、政策検討用の資料の一つにすぎないのです。野党が騒ぎたてるのは分かりますが、メディアが過剰に反応するのはいかがなものでしょうか。

     

     

    問題があるのは、この報告書に対し、政府がとった行動です。

     

    麻生大臣(財務・金融担当) ”「表現が不適切」であるため、報告書を正式なものとして受け取れない” と述べました。

    のちに、安倍首相も「誤解や不安を広げる不適切な表現だった」と述べています。

     

    これは、立憲民主党の蓮舫副代表による「2000万円不足」しているから「足らざる部分のためにもっと働け... 公助から自助にいつ転換したのか」と質問されたことで、7月の参院選が不利になるのを恐れ早くこの話題を抑え込みたい思いから起こった言動だったと思います。

     

    この政府の言動は ”事実の歪曲や隠蔽” だと言われても仕方がありません。

    なぜなら、先に述べたように報告書の内容は、正確無比な表現ではありませんが誤った点はなく、現状を表した事実だからです。

     

    この報告書を受け取らないということは、不都合な情報は、たとえ事実であっても「無かったことにしたい」考えが見え隠れします。

    ここに今回の「本質的な問題」があるのです。

     

    更にこの言動は、金融庁や厚生労働省などの官僚を萎縮させてしまう恐れがあります。

    金融庁の三井秀範・企画市場局長は衆議院財務金融委員会で、安倍首相や麻生大臣から批判された報告書に対し「配慮を欠いた対応で、このような事態を招いたことを反省するとともに深くおわびする」と謝罪しました。

     

    懸命な議論をし、時間を費やして作成した報告書を、「政府の意に即する内容ではないので受け取ってもらえない」となれば、今後官僚は政府が喜ぶような報告書(忖度した報告書)しか作成しなくなるのではないかと危惧します。

    これで正しい判断が行えるのでしょうか。ここが問題なのです。

     

    これは企業も同じです、会社の経営陣にとって不都合な報告をしなくなれば、適切な判断などできるはずがありません。

    近年多発している企業の不正や不祥事にはこのような問題も隠れているのです。

     

     

    このような態度や姿勢で正しい政治(企業であれば運営)が行えるのでしょうか。

    ご覧の皆様も考えてみてください。

     

     

    「高齢社会における資産形成・管理」(2019年6月3日)の報告書は下記URLで見ることができます。

    https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf


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