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ハラスメントの本質が理解できれば、対応策が見えてくる (組織編)

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    前回の記事で「上司と部下の信頼関係が ”構築できず” または ”信頼関係が崩れ” て負のスパイラルに至った場合は、更なる事態が待ち受けている」とお伝えしました。

    今回は、組織に ”どのような事態が待ち受けている” のかをお伝えします。

     

    まずは、組織内で起こったハラスメントは早期に掃討しなければ周囲に伝染します。

    (思考停止がインフルエンザのように広がるのです)

    そして組織内にハラスメントが蔓延すれば、モラルや道徳心が失われます。

    本年不正が発覚したスルガ銀行はこのような状況だったと思われます。

     

    スルガ銀行 第三者委員会が2018/9/7に公表した不正事件の調査報告書(公表版)から、

    ”経営陣によるパワハラは数年前より日常的に行われ、それに伴い不正が常態化していった。多くの行員はパワハラや不正を目にしていたが報復を恐れ声を上げれなかった” このようなことが報告書には書かれています。(調査報告書は添付を含め全338ページ)

     

    代表的なパワハラ行為は、

    ・他の社員の前で叱責を受け1ヶ月間無視された。

    ・「死ね給料どろぼう、ビルから飛び降りろ」といわれた。

    ・首を掴まれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴ってきた。
    ・毎日2〜3時間立たされ怒鳴り散らされ、椅子を蹴られた。
    ・怒鳴り続けられ昼食も2週間ぐらい行かせてもらえなかった。

    ・毎日夜11時過ぎまで仕事を押し付けられた。
    ・うつ病になり銀行を1年8ヶ月休職した。

    など...

     第三者委員会が全行員(3,595名)に対して行ったアンケートでは、
      ・内部通報制度を知っていた者は3,253名
    (90.5%)
      ・内部通報制度を利用したことがある者は36名(1.0%)
      ・通報しようと思ったが通報しなかった者198名(5.5%)
       その理由は、「もみ消される」「報復される」

       「言うだけ無駄」「誰が通報したか知られる」などで、
        通報者保護が不十分と回答した者は2,591名(72.1%)である。

     ”上司から叱責されたことがあるか” の質問には、

      全行員中839名(23.3%)が「はい」と答えている。

      ある部門では343名中、248名(72.3%)が「はい」と答えている。

     ”信頼関係が崩れ” て負のスパイラルに至れば、このような状況に陥ります。

     (行員はパワハラによる思考停止で、適切な行動が出来ない状態だったのです)

     

    上記のようなハラスメント行為と状況は

    どのような「罪」になると思われます......

     

     

    ハラスメントは被害者が加害者を訴えない限り「罪」になることはありません。

    逆に言うと、訴えれば「加害者」と「会社」は罪を問われる可能性があります。

     

    麻生財務大臣が述べたようにハラスメント(パワハラやセクハラなど)を直接裁く「罪」はありませんが、「人としての正しい道を守る道義的責任」を追及することは可能です。

    加害者が暴力をふるわないかぎり刑事罰を受ける可能性は低いと思われますが、損害賠償の請求を求める民事訴訟で責任を追及することは可能性です。(暴力は「傷害罪や暴行罪」となります。)

     

    ハラスメント行為が “民法上の不法行為” に当たると判断されれば、加害者には損害賠償責任(慰謝料)が発生します。(判断するのは裁判所です)

    民法709条と710条の「不法行為」に基づく慰謝料を加害者に請求することができるのです。

     

    会社に対しては、民法715条「使用者責任」、民法719条「共同不法行為責任」での損害賠償請求ができます。

     

    慰謝料の額は、苦痛の大きさに比例します。

    (ハラスメント被害が深刻であればあるほど、ハラスメントを受けた期間が長ければながいほど、高額になります。)

    過去の判例には高額な損害賠償が認められたものがあります。

     

     

    但し、被害者はハラスメント行為を受けたことを立証(証明)しなければなりません。

    ハラスメントの立証につきましては、”ハラスメントの本質が理解できれば、対応策が見えてくる (個人編)” でお伝えしていますのでご覧ください。

    ※ 訴訟を起こす場合は、裁判になりますので弁護士に相談してください。

     

    これまでに述べましたハラスメントに関する知識は、

    ハラスメントの抑止力になるのと同時に対応策にもなります。

     「知識」がなければ「意識」は生まれない。
     「意識」をしなければ「知識」は生かせない。
       知識と意識がなければ「動機」が生まれず「行動」には至らない。

     

     

    冒頭でも述べましたが、

    組織内にハラスメントが蔓延すればモラルや道徳心が失われ、不正や不祥事の呼び水になりますので早期に掃討しなければなりませんが、その起点となるのは ”人間関係の基になる「信頼」” です。

     

    信頼関係がない組織には「組織力」は生まれません。

    このような組織の上司が、”大きな成果を求めても成果は出ません” だからイライラがつのりハラスメントに至るのではありませんか。(結束力がないため、1+1の力しか発揮できません)

     

     

    ハラスメント行為は、

    無関係の方に行うことはありません。行為を行う相手は常に関係者です。

     

    では、なぜ関係者にハラスメント行為を行うのですか?

    ここにハラスメントの本質が隠れています。

     

    ハラスメントの防止策も本質の中にあります、

    なぜハラスメント行為を行ってしまったのか!

    その心の中にある動機(本質)が把握できれば防止する策が見えてきます。

     例えば

     成果を出せない部下にパワハラをしてしまった。

     この場合の動機は、”部下の成果” となりますが、部下はなぜ成果を出せないのでしょうか。

      ・部下に成果を出させるサポートをしましたか

      ・サポートは十分でしたか

      ・サポートは個々の特性によって異なっていますか

      仮に上記が全てYesであれば、パワハラに至った本質は別にあります。

     

     

    【備考】

    ハラスメントには「暴力」と「精神的攻撃」がつきもので、これらは刑法上の罪に問われる可能性があります。

    ・暴力や体罰を加えれば「暴行罪(刑法208条)」「傷害罪(刑法204条)」「過失傷害罪(刑法209条)」の刑事責任を問われます。

    ・精神的な攻撃をすれば「名誉毀損(刑法230条)」「侮辱罪(刑法231条)」「脅迫罪(刑法222条)」「強要罪(刑法223条)」の可能性が出てきます。

    これらは、加害者に対する罪です。

     

    また、ハラスメントは周囲のモチベーションを下げることになります。
    ”誰かが叱責をされているのを見ると” すごく嫌な雰囲気になりますよね。
    動悸がし息苦しくなり、胃が痛み、脂汗が出て「二度と見たくない」嫌な気分になります。
    こんな職場は「健全」とは言えません。

     

    会社は「社員が安全で健康に働くことが出来るように配慮しなければならない義務」があります。

    これを安全配慮義務と言います。

    職場の環境を悪化させるハラスメントは排除しなければならない義務で、これを放置すれば安全配慮義務違反にあたります。(2008年3月に施行された労働契約法で定められました)

     

    また、会社は従業員と交わした雇用契約に付随する職場環境を整える義務(職場環境配慮義務)を負っています。
    ハラスメントによる被害が発生した場合、職場環境配慮義務違反の債務不履行責任(民法 415条)として、会社はその損害を賠償しなければなりません。


    更に、会社は「社員」が他の者に与えた損害を賠償する責任(「使用者責任 民法715条「共同不法行為責任 民法719条」)があり、これは会社が負うことになる責任です。

    (上記の判断は裁判所が行いますが、被害者の親告がなければなにも起こりません。)


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