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消費者の安全・安心 ―1

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    今回は『消費者の安全・安心』について、「経営者の責任」をテーマに、
    リスクマネジメントコンサルタントである私の思いを述べさせていただきます。

    まず、なぜこの様なテーマを選んだのかを説明いたします。
    久しぶりに会った友人と夜遅くまで盛り上がったのが上記のテーマでした、話のきっかけは
    先日千葉県のコンビニで起きた ”陳列されている食パンに縫い針を混入させた” 事件です。
    犯人は逮捕されましたが、その後も同様の事件が別の地域で数件発生しています。

    この同様の事件は幸いにして消費者に被害はなかったのですが、いつか消費者に被害を与え
    る事件に発展するのかと想像すれば恐怖を感じます。
    それは誰もが被害者となりうる可能性があるからです。 
      ※強い悪意を持った者であれば、針ではなく別の物を混入させることも可能な状況なのです。


    ここからが本題です。 
    重篤な消費者被害が発生した場合、”経営者にはどの様な責任が問われる”かが各論となりま
    した。

    経営者の責任を最終的に判断するのは裁判官ですので、ここでは社会通念上消費者がどの様
    に考え行動するのかをお伝えします。
    この消費者行動を予測し対応することがリスクマメジメントになります。

      今回はコンビニで発生した事件ですが、食品を販売するスパーマーケット...等でも
      同様のケースが予測されます。


    【 リスクマネジメントの手法によるリスク評価と対応策 】 
     被害者や消費者がまず考えるのは、事件の発生は誰の責任?....責任追及をしたくなるものです。
      (1)事件を起こした犯人の責任
      (2)安全管理を怠った店(経営者)の責任

      千葉県の事件のように犯人が逮捕されれば ”責任は犯人となり” 刑事罰と民事罰(損害賠
          償)が科せられることになり、誰もが悪いのは犯人と考るでしょう。

     では、犯人が不明の場合はどうでしょうか?  ....... ここにリスクが存在するのです。
      (3)安全であると思い込み食した「消費者の自己責任」
      (4)犯人を捕まえられない警察の責任
      それとも(2) 安全管理を怠った店(経営者)の責任となるのでしょうか。


      「被害者や消費者」が(4)と考えるとは思えません、そうなると責任は(3)となりま
       すが、とても得心できるとは私には思えません。 
          .........そうなると責任は? ........批判(不満や苦情)はどこへ?

     このような状態になれば不満や苦情は"(2)経営者 "に向けられることになるのです。
     
     


    ◆このような状況は店の経営者としても心外だと思いますが、これが「被害者や消費者」の
       心理です。 
             この心理は以下の消費者行動につながります。
            『安心して買い物が出来ない店には行かない』
     
      
     
                ※ 経営者としては不本意でしょうが、消費者に「安全・安心」を提供できなければ
                    顧客を失うことになります。


     ではどの様な対策が必要でしょうか? ........ リスクマネジメントです。
      ※ 今回のような事件を完全に防ぐことは出来ませんが、発生を低減させる策は必要です。



    海外の例が参考になると思われますので下記に記述します。
    ≪ 海外の例 ≫ 
     ・食品の陳列場所 → 常に店員の目の届く場所に陳列する
     ・防犯カメラの設置と警告表示 → 常にカメラで店内の行動を監視していることを警告する
     ・入店時の警告表示 → 顔が判別できない状態の場合は入店をお断りする警告表示

     この対策で事件の発生を完全に防ぐことは出来ませんが、発生を低減させる効果は期待
     できます。

     消費者に重篤な被害を与えるような事件が発生した時には、経営者に説明責任が生じます、
     この場合に上記のような具体的な未然防止策が説明できれば批判は少ないはずです。 

     重要なのは、経営者として抗弁できる状況にしておくことです。
     
      (”防ごうと思えば、防ぐことが出来た” と消費者に思わせてはいけません)
     
     言い換えれば、防ぐことが出来たと思われる場合は経営者に責任が向けられます。


    今回はコンビニで起こった「パンに針を混入させた」事件を例にいたしましたが、コンビニ
    で多く発生する「強盗」も同類の事件です。 
    たまたま居合わせた ”利用者が犯人と揉み合いになり重傷を負った” となれば、同様に経営者
    の責任を追求されることも予測されますので、ぜひ店舗の状況にあった未然防止策を検討して
    下さい。

      絵空事ではありません。上記のような ”利用者に重傷を負わせる” 事件がいつ起きても
      不思議ではない社会状況です。

       
           

    coffee break(余談です)
    日本の販売店では、利用者の「利便性」と「性善説」を優先していますが、世界の販売店は 
       
    そうではありません。 (もちろん日本と同様の国もあります)

    治安が悪い地域では「入店する際に私物を全て預けなければ入店することが出来ない」店も
    あります。 (財布はOKです)
    この様な地域では「性悪説」を優先した対応ですが、このことで利用者は「安全で安心」し
    て買い物が出来ることが担保されていると言えます。

    何を優先するかは社会状況により変化しますが、消費者の「安全・安心」を第一に考えなけ
    れば、顧客を失うことにつながります。

    お詫びの法則

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       今回は先日、小型ヨットで太平洋横断中に起こった遭難事故で ”辛坊治朗氏” が行った「行動」
      と「お詫び会見」についてお伝えいたします。

      この事案は、「リスク」と「レピュテーション」を見事にマネジメントした1例と言えます。
      また謝罪会見の結果は、「非難や批判」はほとんど起こらず好意的に受け取られています。

      特に「お詫び」のし方は、企業においてもとても参考になりますので研究してみましょう。


      フリーキャスターの辛坊氏と盲目のセーラー岩本氏は、6月16日に小型ヨットで福島県小名浜
      港を出発し米サンディエゴを目指した。
      事故は出港から5日後(日本から1200キロ離れた洋上)に、一般のレーダーでは感知することが
      出来ない「動物か浮遊物に衝突」したと言われています。(不可抗力による事故)
       *クジラと衝突した可能性が高いと報道されている。

      ◆事故発生時の対応
       ・衝突直後の浸水のスピードをみて、「数分で沈没する」と判断
       ・衛星携帯電話で、遭難通報し救助を求める
       ・必要最小限の物を救命ボート(ライフラフト)に移して脱出
       ・ライフラフトに移乗し救難信号を発信 
       ・遭難通報を受けた今回の太平洋横断をサポートする事務局はすぐに118番通報
        (SOSから6分後)
       ・海上保安庁(航空機1機)と海上自衛隊(救難飛行艇2機)の連携で10時間後、海上自衛隊の
        飛行艇に救助される  *航空機3機と海上保安庁の巡視船1隻が救助に向かう
       ・到着後、すぐに記者会見を行う
       ・救助にかかった費用は1000万円以上害派遣要請に基づく出動であるため全額税金で支払われる)

         【危機管理】
         ・排水能力を超えた浸水で、10分で沈没すると「判断」
         ・必要最低限の物をライフラフトに積み込む (衛星携帯電話、救難信号発生器、水、食料)
         ・低体温症への対応

        瞬時に適切な行動が行えたのは、「日ごろの訓練」や「危機管理シュミレーション」が
        成し得た技だと思えます。


      ◆辛坊氏の謝罪会見
       ・報道陣を前に深々と頭を下げて
           → 「2人の命を救うために海上自衛隊・海上保安庁の皆様が、命を投げ出す覚悟で
              4メートルの波を超えて助けに来て下さった」 本当に申し訳ございません....


       ・謝罪
           → 「たくさんの人でや大切な税金をつかうことになり」反省しなければならない。
           →  無謀だったと言われれば、「無謀だったとしか言いようがない」自らを批判。


       ・人為的ミスはなかったのか?
           → これだけの人に迷惑をかけて「人為的ミスはなかった」とは言えない。

       ・再度チャレンジするのか?
           → これだけの迷惑をかけて、口が裂けても「もう1回やりたい」とはいえません。

       ・今後の活動は?
          → どのツラを下げてという感じがします「しばらくは自らを省みる時間がいる」と考えている。
             (休業宣言)



      【お詫びの法則】+【謝罪会見の法則】
      お詫びの法則
         [1] 起きた事実を正しく伝える
         [2] 起こしたことへの素直なお詫び
         [3] 起きたことに対する問題解決の提示
         [4] 将来にわたる安心の提示
         [5] いさぎよさが感じられること
      謝罪会見の法則
         [6] 「相手の心に響く言葉」を発する
         [7] 「厳しい処分」を公表する



      【私の評価】...なぜ社会から好意的に受け取られたか?

        謝罪の会見には上記[1]〜[7]の内容を盛り込む必要があるが、今回の謝罪会見では
          ・救助が過酷な条件であったことの説明 → [1]
          ・勇気を持って助けに来てくれた方々への感謝の言葉 → [6]
          ・言い訳をせず、起こした事に対する謝罪に徹した → [2][5]
          ・問題発生に対して、「自らに謹慎」という罰を与えた → [4][7]
          ・迅速な記者会見(自らの意思で会見を行う)

        [3]を除き網羅されています、好意的に受け取られたのはその結果です。
        点数をつけると100点です。

       レピュテーションを低下させないために、とても参考になる謝罪会見でした。

      ここまで書くと[3]は、どのような対応であったのか?..... 気になると思いますので
      コメントします。

      ”[3] 起きたことに対する問題解決の提示” 
      今回の事案では、「救助にかかった多額の税金について」の問題解決の提示となります。

      例えば、
      『 ”救助にかかった税金分” を寄付いたします』と、辛坊氏であれば答えることが出来たと
      思えますが、あえて[3]には触れなかったと私は考えています。

       その理由は、
         ・「売名行為」と受け取られる
         ・ 今後「救助費用分の税金は寄付」と言うようなことが慣習になることは避けたい
       との思いがあったのではないかと予測しています。

      リスク・コミュニケーションを使ったリカバリー

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         今回は、全柔連(全日本柔道連盟)で起こった不祥事問題のリカバリー手法についてお伝えします。

        このテーマの目的は全柔連を擁護するためのものではありません。
        ご存じのように全柔連は一連の不祥事問題でレピュテーション(評価/評判)は著しく低下し、企業に
        例えると「存続の危機的状況」にあります。
        このような状況に至るリスクはどの企業も秘めていますので題材といたしました。
         
        ”このような危機的状況から” どのようにすれば、回避とリカバリーが出来るかお伝えします。

        【全柔連:レピュテーション低下の経緯】.....................................................................
          ―子柔道の代表監督が起こしたパワハラ問題の表面化 (2013年1月)
              ・12年10月に選手に謝罪を行ったが、その後も改善が見られないため、12月にロンドン五輪日本代表
               選手を含む柔道女子選手15人が「暴力とパワハラ」を受けた代表監督をJOCに告発
              ・全柔連は問題を積極的に解決しようとする姿勢がみられない
              ・全柔連の代表監督、コーチ1名、強化委員長が辞任
              ・第三者委員会を設置し事実確認の調査


          ⊇成金不正問題 1 (2013年3月)
              ・全柔連強化委員会がスポーツ振興センターからトップ選手の指導者に対する助成金の一部を強制的に
               徴収し「強化保留金」として私的に流用していた。 (領収書や帳簿はない)


          助成金不正問題 2 (2013年3月)
              ・助成金の不正受給、指導実態のない複数の理事が不正に受給していた。
               

          ち棺析⇒事による柔道関係者の女性に対するわいせつ行為問題 (2013月5月)
              ・否定していたわいせつ行為を認めた理事に会員登録の永久停止処分を決める
             

          ゼ任を示唆していた全柔連会長が一転して続投を表明 (2013年6月)
              ・全柔連の「一連の不祥事への対応協議」で進退問題は協議されず続投を決断
              ・会長は「組織改革をやりきる」と表明


         第三者委員会は不祥事に対し「組織としての順法精神の欠如」、強化留保金は「社会通念に
         照らし不適切」と厳しく批判。
           
          Ω益法人の資格を審査する内閣府の公益認定等委員会は、全柔連に対し一連問題の
           事実関係報告書が疑念を抱かせる内容であるため再提出を求めた。(2013年6月)

          Ы成金の不適切受給は27人で金額は3620万円であることが判明 (2013年6月21日)

                                                   新聞報道から抜粋

          ..................................................................................................................

        ◆リカバリー手法6/21 時点の状況からリカバリー)

        [1]  現状を放置した場合(積極的に改革/改善を進めなかつた場合)のリスク評価
              *リスク管理の3大基本要素である「将来を正しく予測する」を活用 
            ・助成金カットのリスク
            ・スポンサーの更新見合わせのリスク
            ・法人会員の離脱リスク
            ・パートナー(下部組織)の離脱リスク
            ・サポーター/社会からの支持低下リスク
            ・全日本柔道連盟の分解/解散リスク

             (ステイクホルダーから、どのように評価されるかを予測することです)

            私は、 上記リスクの全てで「リスク高」と評価します。
              ”リスク高”の評価とは、今すぐに自主的かつ積極的な改善行動/活動を起こさなければ、
           存続できなくなることを意味します。 企業に例えると”廃業”に至ることです。

        [2] 改善行動/活動
            ステークホルダーに「変わりそうだ/良くなりそうだ」と期待していただける内容
            でなければなりません。 そのためには下記の(a)(b)は欠かせません!
              (a) 執行部の刷新
              (b) 改善の情報発信
         

        [3] リスク・コミニュケーション手法を用いた情報発信と共有
            ※ 危機管理能力を超える事態の場合、そのリスクを開示しステークホルダーと共有
              することで、お互いの意思疎通と合意形成を図る手法です。      

          (1) アクションプラン(改善計画書)を作成し社会と共有する(告知)
          (2) アクションプランに沿って進捗状況を社会に発信する
          (3) 社会からの「叱咤」をアクションプランに追加する
          (4) アクションプランの成果を社会に公表する

          この手法のPointは下記です。
            ・改善の進捗状況をステークホルダーと共有する、そのためには改善計画書を
             細かい項目に区分けし、情報の発信が月に2〜3回行えるようにする。
            ・ステークホルダーからの意見を受け付ける窓口を設置する。
              (電話の窓口と、ホームページ上の窓口)
           
           「改善進捗の公表」と「意見受付窓口の設置」は、改善への期待感を抱かせます。

        事例研究(1)― 2/2

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           前回の続きで、大手外食産業の店舗で起こった「ざるうどん」の「ざる」の裏にカビが発生していた
          事案に対する「告知文」について研究してみましょう。

          ........................事業社の告知文.......................................................
          お客様各位
                                                                                  2013 5 9
                                                                                               
          株式会社△△△△

          「ざるうどん」の「ざる」裏にカビが発生していた事案についてご報告いたします

          4 7 日に発生した事案に関し、お客様よりご心配のお声を頂戴いたしました。

          ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません。

          当社は食を提供する企業として安全確認の意識が不足していた事実を真摯に受け止め、

          同様の事案が二度と発生しないよう、直ちに対策を講じました。

          今回の事案の原因につきましては、洗浄後に水分が残ったままの状態で「ざる」を保管

          したため、裏側にカビが発生いたしました。対応策としましては、店舗での食器洗浄と

          乾燥に関するマニュアルを作成し、全店舗に周知徹底いたしました。

          経過につきましては、以下の通りでございます。


          事案の経過

            4 7 14 00 分頃 お客様よりカビが発生している旨ご指摘を受ける。

            4 7 15 30 分頃 店舗より担当マネージャーに報告が入る。

            その後すぐ、当該店舗の全ての「ざる」の状態を確認。

            4 8 9 00 分頃 本社より全店舗の「ざる」の状態確認を指示。

            4 8 20 00 分頃 全698 店舗(当時)の「ざる」の状態確認が完了。

            4 9 9 00 分頃 原因を究明し、再発防止策を策定開始。

            4 9 16 30 分頃 再発防止の為のマニュアルを全店舗に配信。

           既に全店舗での安全を確認しておりますので、安心してお食事ください。
          ............................................................................................................................................................................................................

              ※事例研究で紹介する事案は当該事業者の「批判目的ではございません」、予めご理解とご協力を
             いただけますようお願いいたします。


          上記の告知文をご覧になり、どのように感じましたか?

          私は告知の意図が直ぐには理解することが出来ませんでした。

           * 私感は、一読後に不自然な違和感や不快感を抱きました。


          告知文を繰り返し読むうちに、この告知はカビの発生に対する「事案の経緯」と「再発防止策」
          をお客様に報告することが目的であったことがやっと理解出来ました。

          またこの告知文からは、多くのお客様から当該事業者に対し”がんばって事業を続けて欲しい
          との励ましの言葉が多く寄せられている”ことも読み取れます。 
           実際に事業者との交流サイトであるfacebookにも励ましの言葉はありました。

          では、同じ交流サイトに投稿された多くの「非難や批判」はなぜ無視されたのでしょうか?
          なぜ「ご迷惑をおかけしました」の言葉がないのでしょうか?  
             企業姿勢......と、受け取られてもしかたありません。

          告知文は「誰に対するメッセージ」と「何を伝えたいか」を明確にして作成することが必要で
          す、多くは「消費者に対するメッセージ」のはずです。 また何度も読み返してはくれません。
          一度で「何を伝えたいか」が理解できる文章でなければなりません。

          一読し内容が理解できない場合は、読み手には「不快感」だけが伝わり、
           ・誰が承認した文章だろうか?  承認が得られた文章だろうか?...... 更には
           ・企業の資質が透けて見えるようだ! ....... など
           ネガティブなイメージしか生みません。 

            このような状態になると、不祥事でレピュテーションを低下させ、更に告知文でも
            レピュテーションを低下させることになり、その結果、本来の告知の目的が伝わら
            なくなります。  乱暴な言い方をすれば「告知をしなかったほうが良かった」ことになります。


          REPsコンサルブログでは、告知について何度かお伝えしてきました。

          それは 「告知文」は企業が社会に発するメッセージであり。 そのため社会からの注目は高く、
          記述した内容は企業の姿勢として伝わり評価されます
          記述した内容が不適切な場合は、企業の資質が問われレピュテーションに悪影響をあたえる
          ことになります。  

          当該事案でこのような事態にならないようにするには、「励ましの言葉」よりも 「非難や批判
          の言葉」 を重視
          した対応を行うことです。

           REPsコンサルブログのcategories(カテゴリー)にあります、”告知(リコール)”に記述しま
           した内容を再度確認していただき、上記の告知文を再評価しご自分で作成してみて下さい。
           
           上記とは全く異なる告知文になるはずです。



          ◆この事案にはもう一つ重要な問題を秘めています。

           それは ”なぜカビの発生(不祥事)が未然に防止できなかった” です。 それについ
           て考えてみましょう。


           当該事案が発生した要因は二つあります。

          【一つ目】
          今回の事案が突然表面化したとは思えません、過去にも同様または類似の不祥事があり
          「ヒヤリ・ハット」したことがあったと思えます。

          重大な事故(今回の事案では健康被害)が発生したその裏には、多くの「ヒヤリ・ハット」が起こ
          っていると言われています。 このヒヤリ・ハットの経験を集めて研究していれば有効な未然
          防止策が見いだせたはずです。  

           
          【二つ目】
          未然防止を行うのは「従業員」です。よって従業員のモチベーションが高くなければ効果的
          な防止活動は期待できません。

           飲食業であれば、下記の´↓は顧客満足(CS)の管理に欠かせない要件です。 
           また、レピュテーションを低下させるリスクでもあります。
              食の安全 (健康被害を出さない)
              衛生管理 (店内および従業員の清潔感)
              顧客対応 (接客態度)

           顧客満足を提供するには、従業員の満足がなければ出来ません。 
           当該事案を未然に防止するには、まずは従業員不満足を排除することです。
               ※モチベーションは、マニュアルでの管理は出来ません。


            REPsコンサルブログのcategories(カテゴリー)にあります、”ES(従業員満足)”に記述
            しました内容も参考にし適切な未然防止活動を考えてみて下さい。


          事例研究(1)― 1/2

          0
            ご覧いただいているCategory(カテゴリー)では、実際に市場で発生した事案を基に、
            「あるべき姿情」 を皆様と共に 「研究するサイト」 にしたいと思っております。

              ※事例研究で紹介する事案は当該事業者の「批判目的ではございません」、予めご理解とご協力を
               いただけますようお願いいたします。

            初回は数日前に表面化した、全国に約700のチェーン店を持つ大手外食産業のある店舗で
            発生した事案を題材に取り上げました。

            【事案の概要】
            4/7 ある店舗で食事を終えたa氏から”麺をのせているザルの裏側にカビがある”と苦情が起こる
               その後a氏は当該事業者と交流サイトであるfacebook上で何度かコンタクトを交わす
            4/8 当該事業者(以降は事業者と表記)は全店舗に「ザル」の状態確認と報告を指示する
               同日 事業者の交流サイトであるfacebookに ”カビのついた実際の写真” が投稿される
            4/9 事業者は原因を究明し再発の防止策をマニュアル化し全店舗に配信する
            5/9 事業者は自社のホームページで「告知(事態の報告と経緯)
               これを機に、交流サイト上で非難や批判の投稿が急増する
            5/10  各局のテレビニュースで複数回報道される
               複数メディアのWebニュースにも記事が掲載される


            ..................<事業者の告知文>.................................................................
             お客様各位
                                                                                                                  
            2013 5 9
                                                                                                                  
            株式会社△△△△

            「ざるうどん」の「ざる」裏にカビが発生していた事案についてご報告いたします

            4 7 日に発生した事案に関し、お客様よりご心配のお声を頂戴いたしました。

            ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません。

            当社は食を提供する企業として安全確認の意識が不足していた事実を真摯に受け止め、

            同様の事案が二度と発生しないよう、直ちに対策を講じました。

            今回の事案の原因につきましては、洗浄後に水分が残ったままの状態で「ざる」を保管

            したため、裏側にカビが発生いたしました。対応策としましては、店舗での食器洗浄と

            乾燥に関するマニュアルを作成し、全店舗に周知徹底いたしました。

            経過につきましては、以下の通りでございます。


            事案の経過

              4 7 14 00 分頃 お客様よりカビが発生している旨ご指摘を受ける。

              4 7 15 30 分頃 店舗より担当マネージャーに報告が入る。

              その後すぐ、当該店舗の全ての「ざる」の状態を確認。

              4 8 9 00 分頃 本社より全店舗の「ざる」の状態確認を指示。

              4 8 20 00 分頃 全698 店舗(当時)の「ざる」の状態確認が完了。

              4 9 9 00 分頃 原因を究明し、再発防止策を策定開始。

              4 9 16 30 分頃 再発防止の為のマニュアルを全店舗に配信。


             既に全店舗での安全を確認しておりますので、安心してお食事ください。

            .......................................................................................................................................................................................................................

            【事案に対する市場の声】  * 事業者の交流サイトであるfacebookへの投稿から引用
              ・どのような衛生管理を行っていたのか?
              ・気持ち悪くて、もう食べれない。
              ・信頼出来なくなった。
              ・なぜ”経緯の説明告知”に1ヶ月もかかたのか?
              ・なぜ”お詫びの告知”ではないのか?
              ・告知文の内容が不快に感じる。
              ・安全/安心に対する不安の解消が出来ない。
              ・今後の改善に期待が出来ない。

             ≪市場の声とメディアの報道を総評≫すると 
              食の安全問題を軽視したことが、事態を深刻化させる結果につながったと思われます。 



            .....................................................................................................................................................................................................................

            なぜこのような不祥事が発生し、多くの消費者から ”叱責や批判” を受けることに至ったか、
            当該事案で研究してみよう。

            ◆事案のリスク評価について
              発現した事案にどのようなリスクが存在するかを把握し評価する作業です。
              この作業の正確性が、今後の評価や判断を大きく左右することになります。

             ≪ 主要リスクの棚卸 ≫
             (a)健康被害 (可能性のある中で最も重い状態を予測する → 食中毒で数日間入院を想定)
             (b)被害の程度と範囲を予測する (食中毒は重篤か? 症状の発生は何人?)
                 ※この把握には、「カビ」の分析と、お客様に出した「カビの付いたザル」の件数を知る必要があります。
             
             (c)消費者、メディア、行政の反応を予測する


              < 評価の参考に >
              ・この事案では (a) → (b) → (c) の順番で評価を進めるのが適切です。
              ・健康被害に至る可能性が不明である場合は、まずは「可能性あり」 と評価することです。
                 ※100%ないと言い切れる場合は(b)の分析は不要ですが、その根拠の説明が必要となります。
              ・(c)の予測は簡単ではありません、知識と経験がとても重要です。 よって知識/経験が
               乏しい場合は、過大に評価して下さい。(リスク最小化のためです)

                この事案では、上記(a.b.c)が市場対応の判断につながる評価項目です。


             ご覧の皆様、ご自分で「評価と判断」を行ってみて下さい。

              4月中旬に 「告知」 実施の判断は出来ましたか。
             
                   「Yes」と答えられる方は非常に少ないと思います。


                多くの方は、この段階では「判断出来なとい」と答えたと思えます。

              では、4月中旬に「5月11日にタイムスリップ」出来たとすればどうでしょうか。
                多くの方は「告知実施」の決断をするでしょう。

             この,鉢△糧獣任琉磴い蓮△覆砲僕廾があるのでしょうか?  
              答えは『情報量の差』です。

              適切な判断を行うためには「情報量」が大きなKeyとなります。

             次に、当該事案の告知が4月10日に実施されていれば”市場の反応”は、どうだったでしょうか。

               私は下記のように考えます。
               ・不祥事の発生は批判されるが、迅速で透明性の高い対応と情報公開は評価される
               ・再発防止策に対する消費者の納得感が高まる(改善に期待が出来る)
               ・食の安全に関する軽視発言は生まれない
               ・メディアの報道も事実の伝達レベルに止まる
               ・交流サイトの批判も少数

                 ※ 告知文が適切であれば「レピュテーションも一時的な低下に止まり、事業に与える影響は軽微である」と
                   評価することが出来ますが.......... 。 告知文の問題点については、次回お伝えいたします。

             
             迅速な事案対応が出来れば、上記のように事業に与える影響を軽微に止めることが可能と
             なります。 

              言い換えれば
               「将来を正しく予測する」ことが出来れば、影響を軽微にすることが可能と言えます。
              そのためには”情報量が重要”であることも認識されたと思います。

                     この場合の情報量とは → 将来を正しく予測するための情報の量です。
                                 
             情報量なんて...............  どうすれば得られるの.......................?
               正確な情報は未来に行けない限り得ることは出来ないのでは。  その通りですが、
                 近似値の情報は 「知識」と「意識」と「経験/体験」で代用することが出来ます。

              
            REPsコンサルブログで、これまでにお伝えしてきた、
             □ リスクマネジメント
                ・疑似体験(経験)をする (リスクマネジメントとは その3 に記述)
                ・将来を正しく予測する (リスクマネジメント その4 に記述)
                ・意識する (リスクマネジメント その7 に記述)
             □ レピュテーションマネジメント
                ・知識 (レピュテーションマネジメント ・活用術  ・リスク/レピュテーションの総括 に記述) 
             □ 告知(リコール)
                ・知識 (なぜ告知が必要 ・2012年の告知状況 ・告知に伴う「準備と判断」 に記述)

             に、「知識と意識と経験/体験」に関する情報が書かれていますので是非ご覧ください。

              そして、もう一度 ご自分で「評価と判断」を行ってみて下さい。
              新たな ”気付き” が生まれてくると思います。

              
             将来が正しく予測できれば意識が変わります。
                       意識が変われば、行動がかわります。
                             行動が変われば、結果が変わります。

              
                 よって、事業に与える影響を軽微に止めることが可能となります!

             

             次回は、上記の告知文について研究してみましょう。

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